犬・猫の皮膚病の症状は「かゆみ」です。犬も猫もかゆいときに足で掻く・なめる・噛むといった動作をします。早めに発見することが大切です。サプリメントを選ぶには不飽和脂肪酸・ビタミンA・亜鉛などの成分を考慮します

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2020/05/03 更新

犬・猫の皮膚サプリメントを選ぶには

皮膚のサプリメントを選ぶには

かゆみは皮膚病のサイン

皮膚病は特に犬では最も多い病気です。皮膚病は一般的に、再発することが多く完治がむずかしいといわれています。治療は症状のコントロールが中心となります。皮膚病が直接いのちに関わることはほとんどありません。しかし、一度かかると慢性化しやすく、犬はつらい状態が長く続き、飼い主も大変になることがあります。

最も気づきやすい皮膚病の症状は「かゆみ」です。犬も猫もかゆいときに「足で掻く」ほかに、「なめる」「噛む」「家具などにすりつける」といった動作をします。かゆみは不快感をともなうだけではありません。掻くことで皮膚に炎症を起こし、皮膚病を悪化させてしまうこともあるので、早めに発見し、適切な対応をすることが大切です。

皮膚病にはさまざまな原因があります。それぞれの病気によって特徴的な症状がみられることがあるので、日ごろからかゆがり方を観察しておきましょう。
・どの部位を
・どのようにかゆがっていたか
・それはいつ頃から始まったのか
・季節性はあるのか
・時間帯は限られるのか
といったことは、いざ動物病院を受診するときにとても役立ちます。

犬の皮膚病の原因

感染症

犬の皮膚病の中では最も多くみられます。ノミやダニなどの寄生虫感染、細菌感染(膿皮症)、カビや酵母による感染などがあります。

アレルギー

アレルギー体質の犬は、特定の抗原に対して過剰反応をおこします。アレルギー性皮膚炎は、強いかゆみが現れます。食べ物の中の特定のたんぱく質に対する食物アレルギー、ハウスダスト・花粉・イエダニなどの環境アレルゲンに対する犬アトピー性皮膚炎、またシャンプー剤や合成樹脂などに対する接触性アレルギーなどがあります。

先天性

犬では柴犬、シーズー、ウエスティなどは、遺伝的に皮膚病を発症しやすい犬種であるといわれています。

内分泌性

ホルモンの過剰分泌や不足で皮膚に異常があらわれます。甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、性ホルモンなどが関連します。

その他

ストレス性、自己免疫疾患、皮膚がん、栄養障害などによっても皮膚病が発生します。

このように犬の皮膚病にはいくつかの原因がありますが、根本にあるのは皮膚の免疫力の低下です。健康な皮膚と被毛は、体内の水分を保ち、外からの異物の侵入を防ぐバリア機能を担っています。皮膚バリア機能とは皮膚の水分保持力です。遺伝的体質や老化、偏った食生活、他の病気やストレスなどによって皮膚の水分量が減少すると、皮膚の表面が異常きたしてしまいます。

すると、皮膚の奥にあるかゆみの神経線維が表皮まで伸びてきます。このため外部からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなります。その結果、掻きむしりすることが多くなり、さらに皮膚表面を傷つけバリア機能を低下させるという、かゆみと掻きむしりの悪循環に陥ります。

ですので皮膚病の改善には、感染症やアレルギーなどの治療とともに、皮膚バリア機能を高めることで再発や二次感染のリスクを減らすことができます。

皮膚病のケアや予防はどうする

皮膚の乾燥を防ぐ

皮膚の水分量が減少すると、かゆみの症状は悪化します。乾燥気味の皮膚には、保湿成分のあるクリームなどを薄く塗ってあげましょう。また、環境温度が高い場合にもかゆみが悪化しますので、室内の温度に気をつけたいです。空気が乾燥する時期には、加湿器などを使って適度な湿度を保ちたいですね。シャンプーのやりすぎ、すすぎや乾燥が不十分だと、皮膚の乾燥の原因になります。

ストレスを避ける

犬が退屈していたりストレスや不安を感じる状態にあったりすると、自分自身を掻いてしまうことがあります。犬の生活環境を見直し、改善する必要があるかもしれません。

サプリメントの利用

皮膚のバリア機能を保つためには、タンパク質(アミノ酸)、脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが必要です。市販のペットフードは、調理過程で高温処理しているため、脂肪酸が壊れてしまいがちです。そこで、これらの栄養素をサプリメントで補うことが効果的です。

皮膚のサプリメント選び成分チェック

セラミド

皮膚トラブルの原因は乾燥による場合が多くセラミドが不足します。セラミドは皮膚の必須成分で、細胞間に潤いをあたえ外部刺激から皮膚を守るバリア機能をもっています。

不飽和脂肪酸

オメガ6系とオメガ3系の脂肪酸は、体内で作られないため必須脂肪酸ともよばれています。オメガ6脂肪酸には、リノール酸を原料とするアラキドン酸があります。オメガ3脂肪酸には、αリノレン酸を原料とするEPAやDHAがあります。

オメガ6脂肪酸は皮膚の水分保持やバリア機能の維持に欠かせない成分なので、十分な給与が必要です。ただし、オメガ6脂肪酸は変換されると炎症性物質を生み出します。一方、オメガ3脂肪酸は炎症反応を抑える物質になり、オメガ6の炎症作用を弱めます。ですので、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸をバランスよく摂取することが大切です。

タンパク質

皮膚に存在するアミノ酸は、天然の保湿効果をもっています。また、皮膚は常に代謝をつづける活動的な臓器ですので、十分な栄養補給が必要不可欠です。皮膚や被毛の原料となるアミノ酸やコラーゲンの原料となるアミノ酸などを意識して、十分なタンパク質を摂取するように心がけましょう。

ビタミンA

脂溶性ビタミンのひとつで、皮膚の角化を促して丈夫にし、被毛を成長させる役割があります。不足しても過剰でも皮膚症状が生じます。

ビタミンE

抗酸化作用をもち、皮膚では細胞膜を傷つける活性酸素を取り除いてくれます。

亜鉛

亜鉛が不足すると必須脂肪酸の吸収が低下します。そのため皮膚や被毛が弱くなったり、爪が割れやすくなったりするといわれています。

乳酸菌

アレルギーを起こしやすい犬・猫には、腸内環境の乱れが基礎にあるといわれています。ヒトではすでに、アトピーに乳酸菌による腸内環境の改善が有効であると知られています。同様に犬・猫のアレルギーにも有効だと考えられています。

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